2017年10月01日

ブログ企画【繋】第62回「もうダメかも知れないものが飛んでくる時 何思う?」

夏夕暮れ.JPG

毎度の事だが、早いもので 今日から10月、
短い夏は中途半端に過ぎ去り、すっかり涼しくなってきた今日この頃…
毎月1日恒例のブログ企画【繋】
今月のテーマはtakeさんからのお題で
「もうダメかも知れないものが飛んでくる時 何思う」とのことである。

《 Jアラートがなり 確実に自分の頭上に何かが落ちてくる。
それは VXかサリンか核 原子か水爆か中性子か
今の情勢で もうダメかも知れないものが飛んでくる時 何思う? 》
…とのお題主のお言葉…。

なるほど、ここ最近の物騒な世の中…
困った独裁者が放ったミサイルが うっかり頭上をかすめる御時世だ。
ひょっとしたら、今この瞬間にも核弾頭を積んだミサイルが発射され
日本を直撃するかもしれない…。
こんなことが冗談ではなく、本当に起きるかもしれない世の中になってしまった。

さて、実際 そのような緊急事態になった時に何を思うか?
現実的に 北からミサイルが飛んでくると想定した場合、
時間にして精々10分…
実際は 何か考えている余裕などほとんど無いと思われる。

仮に 核弾頭を搭載したミサイルが東京駅上空で爆発した場合、
半径 6km範囲、だいたい  新宿渋谷くらいまでは跡形も無く吹き飛び、
半径14km範囲 川口浦和あたりまでは爆風で家屋がほぼ倒壊…
また半径34km範囲では熱線による火災や重度の火傷…
何とか爆風を逃れたとしても 放射能の影響で
結局は遠からず死に至るという悲惨な結果になるらしい。
Jアラートが鳴ったところで、たいして意味は無い。
せいぜい近場に地下鉄でもあれば何とか逃げ込めるかも…
(まあ、それだけでも随分役に立ってるとも言えるが…)
せめてもの救いは、死を覚悟する心構えが出来る…という
その程度の効果しか考えられないのが現実である。

さて、現在の世界情勢…
かなり危険なレベルに至っているのは御存知の通り。
想うに 今 北朝鮮が置かれている状況は
約80年くらい前に日本が直面していた状況と非常に酷似している。
当時の日本は 天皇を神と崇めた軍事国家、
満州国建国を始めとするアジア諸国への侵攻により世界的に孤立…
米国からの経済封鎖による資源の枯渇等々…
結局は現実的に勝てる見込みの無い戦争に踏み出してしまった。
その結果が、東京大空襲、神風特攻隊、沖縄の玉砕、広島・長崎への原子爆弾投下…
このような悲劇を招く結果になろうとは、
開戦当初の軍部首脳達は おそらく想像すらしていなかったであろう。
神国日本が負けるはずが無い…鬼畜米英…竹槍でB-29を叩き落せ…
こんな馬鹿げた思考を強制される、それがたかだか80年前当時の日本だったのだから、
私達に 今の北朝鮮を笑うことは出来ないはずだ。

原爆ドーム3.jpg

そして現在、あの時代よりも確実に 状況は悪くなっていると言わざるを得ない。
今の北朝鮮が80年前の日本と同じであれば、
追い詰めれば追い詰めるだけ、無茶な暴走を招く結果になる可能性が高い。
ある意味 これは、アメリカ対北朝鮮の争いの中に日本が巻き込まれているとも言えるのだが、
日米安全保障条約を結んでいる以上、
日本は無関係だなど、やはり言うことは出来ないだろう。
戦後約70年…、日本はアメリカの軍事力の傘の下に
現在の驚異的な成長を遂げてきたことは紛れもない事実である。
もしも日本が、アメリカのバックアップも何も無く、
何ひとつ自衛の軍備も持たない状況であったなら、
おそらく今頃は、ロシアに侵略されてるか中国に侵略されているか…?
かなり悲惨な状況になっていることは間違いない。
力を持たない国は他国からの侵略を受ける…
それは永い歴史の中で何度も繰り返されてきた事実である。
それは恐らく 現在の北朝鮮の立場にしても 同じ気持ちであろう。

《日本はスイスの様な永世中立国を目指すべきである…》
こんな意見を言う人も多くいるようだが、
スイスという国が 約4000人の職業軍人と約21万人の民間兵で構成された
強力な陸空軍隊を所有し 徴兵制度もある重武装中立国家であるということを、
果たして どれだけの人が知っているのだろうか…?
各家庭には小銃と爆薬が配られ、いざとなったら国中を焦土化しても闘う…
その代わりにどの国からも中立の立場を取るという、
それだけの覚悟が無ければ永世中立など名乗れない…
つまりは綺麗事では平和などあり得ないのが現実なのだ。

日本が 《 アメリカ vs 北朝鮮 》の争いに巻き込まれたく無いのであれば
憲法を改正した上で、正式な軍隊を所有するしかないのである。
《我々は丸腰です…。何の武器も持っていないので、そっとしておいてください…》
そんな都合の良い話を皆が聞いてくれるのならば、
きっと世界中から 紛争など全て無くなるだろう。
悲しいことだが この世界は、
侵略と略奪を何度も積み重ねた 永い歴史の上に成り立っている。
全ての人類が 国や人種を超えて理解し合い、
互いを尊び 争いを捨て去ることなど、絶対に無いと言って過言ではあるまい。
もし現在の北朝鮮に何かを言えるとしたら
本来ならば日本こそが、最も相応しい立場であることは間違いないのであるが、
しかし 悲しいかな 現在の我が国は、
アメリカの傘の下で動くことしか出来ない属国なのである。
私は政治家に正義や綺麗事、まして清廉潔白な人柄など求める気は無い。
裏で何をやろうが どの様な密約を交わそうが、国と国民を必ず守る…
それが政治家の仕事である。

話が少々 横路にそれてしまったので、本題に戻ろう。

さて 実際に核ミサイルが飛んで来るような危機的な状況に陥った場合、
最期は誰と どの様に死を迎えたいか…?
とどのつまりは それを問われることになるのだろう…

そういえば以前、やはりこのブログ企画【繋】の中で
似たようなテーマで書いたことがある。

2014年10月  第26回のテーマ「最後の晩餐」
http://aripanda1964.seesaa.net/article/406312888.html

この時は、近未来の最終戦争を描いた 1961年の東宝の特撮映画
「世界大戦争」の話を取り上げて、
全世界を巻き込んだ核戦争が起き 日本にも核ミサイルが迫る中
パニックを起こし逃げ惑う人々とは別に
静かに最後の食卓を囲む 平凡な主人公家族の話を紹介させてもらった。
要は もう確実に助からないという状況に置かれた時に、
ジタバタせずに 穏やかに最期の時を受け入れらるか…?
死を受け入れる覚悟があるかどうか…という話だ。

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もしも 今この瞬間、東京直撃の核ミサイルが発射され、
頼みの綱の 自衛隊の迎撃ミサイルも失敗してしまった場合…
なるべくならば 私は、最期の時を家族と共に迎えたい。
私と奥さんと義妹と猫2匹…
皆で手を取り合って最期の時を迎えたいと思うのである。
皆が家にいる時なら可能であろう。
もしも仕事などで外に出かけているような状況であれば、
何とかして家に帰れるように自転車を飛ばすだろう。
死ぬ時は家族と一緒に…
それが私の せめてもの願いである。

原爆ドーム1.jpg

さてさて、ブログ企画【繋】は 毎月1日に、
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2017年09月01日

ブログ企画【繋】第61回テーマ「毎日欠かせないこと」

夏夕暮れ.JPG

夏が終わってしまった…。
毎年の事だが、何もないまま…私の夏は終わってしまった…。
それにしても 今年の夏は 序盤の猛暑は何処へやら…?
8月に入った途端、くる日もくる日も雨ばっかりで
青い空なんぞ ほとんど見ることも無かった。
別に 天気が良くたって何処へ出かけるというわけでもないのだが
何ともスッキリしない不完全燃焼なこのモヤモヤ感を
いったい どうすれば良いのだろうか…

…などと泣き言を言っていても仕方が無い。
今日から9月…
毎月1日恒例のブログ企画【繋】
今月のテーマは山中信人さんからのお題で
「毎日欠かせないこと」とのことある。

〜毎日欠かせない 自分のこだわりのルーティーンを紹介してください〜
とのお言葉…。
こだわりのルーティーン…?そんなもの 何かあったっけ…?
朝おきて歯を磨く 顔を洗う ご飯を食べて トイレに行って…
いや、こんなこと書いても何にも面白くない。
私なりのこだわりのルーティーン…?
あまり これだ!というものが思いつかないが、
あえて幾つか挙げるとすれば…

毎日というわけにはいかないのだが、
仕事の帰りに間に合えば江古田ブックオフに顔を出し、
何か良い掘り出し物のCDは無いかと探していることとか…。

cd.JPG

だいたい平均して月に30枚くらいのCDを買っている。
仕事柄というのもあるが、なるべく幅広いジャンルの音楽を
有名どころからマイナーなところも ある程度は聴いておかなければと思っており、いくら買ってもキリがない。
…とか言って、本当は自分の趣味を仕事にかこつけているだけなのだが…。

仕事の準備と片付けを一人でやっている時間が私のリスニングタイム、
好きな音楽をけっこう大きな音で流せるという環境は
この仕事ならではの役得と言って良いだろう。
逆に家では音の問題もあり あまり音楽は聴いていない。
もう数える気にもならないが、推定で約15000枚くらいのCDを所有していると思われる。
これだけ持ってれば、もう買うものなんてほとんど無いだろう
…とよく言われるのだが、
いやいや、まだまだ欲しいCDがいっぱいあるのだ。
しかし何せ薄給の身、予算も限られているので
大抵は500円以下のバーゲンコーナーや格安品が対象だ。
このCDを物色している時間は至福のひと時であり、
私の日々の生活の元気の源である。

それからもうひとつ、毎日の日課で欠かせないのが
深夜 閉店間際のスーパーでの買い物である。
仕事終わって帰宅する時間が だいたい日付が変わる頃なので
ちょうどお弁当やお惣菜などの売れ残り品が半額になる時間と重なるのもあり、
ほぼ毎日の習慣となってしまっている。
根が貧乏性なのだろう、半額という言葉の響きに釣られて
ついつい買い込みすぎてしまうことも屡々。
最近は多少 健康面を気にして自炊の機会も増やしているのだが、
ここでも特売品や見切り品で安くなった野菜やお肉ばかり探している始末…、
これまた あれこれ選んでいる時間がけっこう楽しいと来たものだから、
良く言えば やりくり上手…というか、結局は貧乏性なのだな。
(このお話に関しては、以前2016年 2月の繋ブログ第42回「お弁当」でも書いているので、良かったらご覧になってください。
http://aripanda1964.seesaa.net/article/433282850.html   )

あと何かあるだろうか?
冷蔵庫には常に牛乳は欠かせません…
毎日のビールも欠かせません…
あんまり面白くないな〜。

しかし考えてみれば、これでも一応は自称ミュージシャンのくせに、
「毎日ギターを弾くことは欠かせません」と言えない辺りは
何だろう、問題ではないのかい…?

2014021216110001.jpg

それにしても 毎日欠かせないことと言われて思い浮かぶのが
結局は安く買い物をすることというのは…
何だろう…? とどのつまりは一種の「買い物依存症」なのかもしれない。

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2017年08月01日

ブログ企画【繋】第60回テーマ「死ぬまでに読んで欲しい漫画10選」

夏の雲.JPG

毎度の事だが、早いもので 今日から8月、
毎月1日恒例のブログ企画【繋】も今回で60回目
何だかんだで足掛け5年ということになる。
今月のテーマは私の担当ということなので、以前から一度 書いてみたかった
「死ぬまでに読んで欲しい漫画10選」
…というお題を選ばせてもらった。

さて 何を隠そう、こう見えて私は子供の頃 漫画家を目指していた。
小学校から高校一年生になるまでは、けっこう本気で 毎日 漫画を描いていて
恥ずかしいことに中学校の卒業文集でも
「将来は絶対に漫画家になる!」と大見得を切ってしまった。
しかし所詮は広島の田舎町の井の中の蛙…
高校2年生で東京に転校となったところで さっそく漫研に入部したのだが、
そこには 既に雑誌で佳作入選した実績のある人が居て、
その人の描いた原稿を見せてもらったら…
これがもう上手いの何のって…
私の子供の落書きのような原稿と比べたら月とスッポン
大人と子供…とにかくレベルが違う。
本気でプロの漫画家を目指す奴はこんなに凄いんだと思い知らされ
急速に漫画家になる夢がしぼんでしまった。
まあ、そこで何くそと奮起しなかったあたりそれほど真剣ではなかったのかもしれない。
その後 紆余曲折を経て 現在に至るわけだ。

そんなわけで 漫画家になる夢は諦めてしまったが、
子供の頃から漫画ばっかり読んでいたため いろいろ思い入れのある作品も多いのである。
前置きが長くなってしまったが、今回はそんなたくさんの愛読書の中から
厳選した10作品を紹介させていただきたい。

さて、実際お題を決めた後で「10選は多すぎたかな…?」と ちょっと思ったりした。
いや、自分では10選じゃ全然足りないのだが、
他の人、特に漫画を普段そんなに読まない人には無理があったかな…
少々 失敗したかなと思いつつ、
いやいや、そういう方にこそオススメの作品を選ばなければ…と思い直すことにした。
以下、順番に紹介して行く。
10選という都合上、取り上げるのは一作家一作品と限定し、
複数 紹介したい作品は後に併記することとした。

第10位「はみだしっ子」三原順 (1975〜1981) 
〈花と夢コミックス全13巻〉
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舞台は1970年代後半、(特に明記されてないがイギリスと思われる。)
様々な理由で親元を離れた4人の子供達が居場所を求めて放浪する中で
助け合い、傷つけ合いながら生きて行く過程で起きる
争い、葛藤、苦悩、友情…
愛を求め、純粋であるがゆえに傷ついてそれでも必死で生きて行こうとする姿が
シリアスで繊細なタッチで綴られてゆく。
古い作品なので、絵柄も作風も現代の目から見ると少々古めかしく感じるかもしれないが、
内容はとにかく濃い。
大人になった今、大切な何かを失ってしまったような気分になった時
ふと読み返したくなる作品である。
作者の三原順の代表作、若くして亡くなった人なので
この作品以外は あまり知られていない。
現在は白泉社文庫版全6巻で入手可能である。


第9位 「がんばれ元気」小山ゆう(1976〜1981)
〈少年サンデーコミックス全28巻〉
がんばれ元気.JPG

「あしたのジョー」と並ぶボクシング漫画の傑作であるが、
様々な意味で「あしたのジョー」とはかなり真逆の作品である。
主人公の堀口元気は幼い頃からプロボクサーである父親と二人で
貧しいながらも世界チャンピオンを目指して共に生きていた。
しかし試合中の事故の為、突然 父を亡くし、
その後 裕福な母方の祖父母に引き取られる。
元気の母は身体が弱かった為 元気を産む際に亡くなっており、
祖父母は娘を死なせた父親とボクシングを激しく憎悪していた。
娘の忘れ形見と溺愛してくれる祖父母の愛情に感謝しつつも
父の夢であった世界チャンピオンになる夢を継ぎ
中学卒業と同時に上京、プロボクサーを目指す。
一方 試合中の事故とは言え 父を死に追いやったボクサー関拳児は
現在は絶対的無敗の王者としてボクシング界に君臨していた。
プロボクサーとなった元気は様々な試練を乗り越え
ついに関拳児との世界タイトル戦を迎える…。
この作品の大きな特徴は主人公 元気の性格設定にある。
とにかく優しくて繊細、他人の気持ちを気づかい
思いやりもあって真面目…、およそボクシングなど向いてなさそうなタイプなのである。
しかも父の死後は裕福な祖父母のもとで何ひとつ不自由の無い生活を送っており
ハングリー精神とも無縁…。
それでも幼い頃から周囲に隠れて一人で練習を重ね、
その優しすぎる性格ゆえに苦悩しながらもボクシングに打ち込む姿を
作者は丁寧に描いてゆく。
ジョーのような野生の天才では無い、努力型の優しい主人公が
悩み苦しみ這い上がってゆく中での出逢いと別れ、友情や恋なども繊細に描かれている。
ラスト、元気と関の死闘は漫画史に残る名シーンであり必見!
現在は小学館文庫版全16巻で入手可能である。


第8位「めぞん一刻」高橋留美子(1980〜1987)
〈ビッグコミックス全15巻〉
めぞん一刻.JPG

アニメ化・映画化もされて、かなり有名で人気のあった作品なので
読んだことのある人も多いのでは?
古びた木造アパート一刻館を舞台に、
さえない学生 五代裕作は管理人の若くて美人な未亡人 音無響子に一目惚れ。
二人のなかなか進展しない恋愛模様を中心に
変人だらけの一刻館の住人達が繰り広げるドタバタを描いたラブコメディで、
ある意味80年代を代表する漫画の一つと言っても良いだろう。
作者は同時期に少年サンデー誌上において「うる星やつら」も連載しており、
共に絶大なる人気で一種の社会現象を巻き起こした。
今回「めぞん」と「うる星」どちらを選ぶかで大いに悩んだのであるが、
まとまった作品としての完成度からこちらを選ぶこととした。
まあ、何というか すれ違いや勘違い等々でなかなか二人の中が進展しない。
おまけに超イケメンでお金持ちのライバル三鷹が登場し 響子に積極的にアプローチを繰り返す。
五代・三鷹・響子の三角関係の図式に加え、何故かさえない五代は母性本能をくすぐるのか
迫ってくる女の子もたくさんいたりして、響子さんの心中も穏やかでは無い。
そんな二人の距離がすれ違いを繰り返しながら少しずつ縮まってゆく日々を、
基本コメディというスタイルを取りながら 並行して悩み苦しむ二人の心情をも丁寧に綴った傑作である。
作者の高橋留美子は 当時まだデビュー間も無い時期、
連載が進むにつれて画力、表現力がどんどんレベルアップしており、
連載初期と後期ではずいぶんと印象が違う。
この時期に高橋留美子独特の作風は完成されたと言って良いだろう。
ラスト、響子さんの亡くなった旦那の墓前での五代のモノローグは感動必至!
当時の男たちはみんな ラムちゃんのような恋人や、響子さんのような嫁さんが欲しいと思ったものだった。
現在も新装版及び文庫版で入手可能。


第7位「アストロ球団」原作/遠崎史朗・作画/中島徳博(1972〜1976)
〈ジャンプコミックス全20巻〉
astoro.jpg

この作品については以前にブログで書かせてもらった。
〜2013年10月  第14回「私を変えた一冊」〜
http://aripanda1964.seesaa.net/article/376263553.html
簡単に紹介すると、戦死した元巨人軍の不世出の大投手
故・沢村栄治の魂を受け継いだ野球超人達が集いアストロ球団を結成、
巨人を中心としたプロ野球界に反旗を翻し戦ってゆく姿を
熱苦しいくらいの熱気で描いた異色野球漫画である。
まあ、詳しくは第14回ブログを読んで欲しい。
とにかく異常なテンションで描かれた作品で、いまだにカルト的な人気のある作品である。
私がまだ子供の頃に夢中になって読んだ漫画で、
万人受けするものではないがハマったら病みつきになる。
永らく絶版であったが、1999年に太田出版から全5巻で復刻された。


第6位「動物のお医者さん」佐々木倫子 (1988〜1993)
〈花とゆめコミックス全12巻〉
動物のお医者さん.JPG

こちらは地味ながら人気の高い作品で、2003年にはテレビ朝日で実写ドラマ化もされている。
舞台は北海道、主人公は獣医学部の学生 西根公輝(通称ハムテル)
彼が通うH大学獣医学部の学生や変わり者の教授、
そしてハムテルが飼っているシベリアンハスキー犬チョビ、
他 一癖も二癖もある関係者や動物達が巻き起こす騒動を淡々と綴った唯一無二の傑作である。
この作品、一応 主人公はハムテルなのだが、実際のところ彼の存在感は極めて薄く、
むしろH大学を中心とした ほのぼの淡々とした日常の中
どこか変な教授や学生達が繰り広げる おかしな群像劇と言って良い。
何よりも主役は動物達のおかしな生態であり、
そこかしこに散りばめられたギャグもまたいい味を出している。
タイトルでよく勘違いされるようだが、動物の命がどうした…的な感動とは全く無縁である。
恋愛の要素すらカケラも出てこない…極めて温度を感じさせない淡々としたコメディである。
これは作者の佐々木倫子独特のもので、他 見習い看護師が主人公の「おたんこナース」
場末のさびれたフレンチレストランを舞台とした「Heaven?」等々、
どこか浮世離れした桃源郷を見ているような作風は他に類を見ないものである。
現在も入手可能、白泉社文庫版全8巻が比較的入手しやすい。


第5位「パタリロ」魔夜峰央 (1978〜連載中)
(花とゆめコミックス 既刊98巻)
パタリロ.JPG

掲載誌をいくつも変えながら 何と現在もまだ連載中というものすごい作品、
舞台はバミューダトライアングルの真ん中に存在する架空の島国マリネラ王国、
10歳の天才少年国王 パタリロが巻き起こす騒動を、
ギャグ・スパイアクション・SF・ファンタジー・ホラー・ミステリー・落語・少年愛…
他 ありとあらゆる要素をぶち込んで描いた作品である。
何が凄いって、作者の多様な知識には本当に感服させられる。
随所に出てくる落語ネタをはじめ、SFや推理小説、果てはラブクラフトに至るまで、
その引き出しの多さには敬服する。
1982年にはテレビアニメ化もされているので
「だ〜れが殺したクックロビン〜!」の「クックロビン音頭」を覚えている方もいるのでは?
ある意味「パタリロ」の面白さは落語の面白さと言って良い。
ギャグのオチがわかっているのに何度読んでも面白い。
また、本格的ミステリー風な諸作では実際かなりハイレベルな作品も存在する。
そんなものもすべて巻き込んだ世界観の多様さも「パタリロ」の魅力である。
既刊98巻の他、「パタリロ西遊記」「パタリロ源氏物語」といったスピンオフ作品も多数存在する。現在も入手可能。


第4位「すくらっぷブック」小山田いく(1980〜1982)
〈少年チャンピオンコミックス全11巻〉
すくらっぷブック.JPG

今回取り上げた作品の中では、最も知名度が低いかもしれない。
私が多感な少年期に読み、大いに感銘を受けた名作である。
舞台は長野県小諸市、主人公は芦ノ原中学校に通う柏木晴(通称晴ボン)
お人好しで真っ直ぐな彼を中心に 親友のイチノ、恋人のマッキー、
他たくさんのクラスメート達とのエピソードを優しいタッチで描いた青春群像劇である。
基本はコメディなのだが、青春期独特の恋愛模様や友情、
将来への不安や葛藤などの悩みが等身大に丁寧に描かれている。
晴ボンが絵を描くことが好きな美術部員という設定も、
当時やはり美術部であった自分はかなり身近に感じたものだ。
自然豊かな小諸の風景の中で、純粋にひたむきに生きる生徒達の姿に、
当時 どれほど励まされてことだろう?
今でも時々 読み返して見る。
大人になった今、純粋に生きることの難しさを知り妥協を覚えた自分は もうあの頃には戻れない。
傷つきながらも真っ直ぐであろうとする晴ボン達の姿に胸が痛くなる。
今回順位的には4番目であるが、思い入れの強さでは1番かもしれない。
残念ながら現在は絶版状態。中古でヤフオクやAmazonでの購入は可能である。


第3位「私を月まで連れてって」竹宮惠子(1977〜1986)
〈フェアレディービッグコミックス全6巻〉
私を月まで連れてって.JPG

竹宮惠子の作品で、これと「風と木の詩」どちらを取り上げるか
大いに悩んだのだが、読後感の爽やかさからこちらに軍配を上げた。
舞台は21世紀後半のアメリカ、
主人公はNASAに務めるA級ライセンスの宇宙飛行士ダン・マイルドと
超能力を持った9歳の美少女ニナ・フレキシブル。
この二人の何と年齢差17歳の恋模様を中心に、
SF・ファンタジー要素を散りばめた愛すべきSFラブコメディの傑作である。
まだ小学生ながら、エスパーであるがゆえ精神的には妙に大人びているニナと、
優秀なパイロットでありながら遊び心と好奇心に溢れたダン・マイルド。
火星のマーズポートで運命的に出会った二人、ニナの積極的なアプローチに対し、
始めのうちは「僕にはロリータ趣味はない!」と拒絶していたダンも、いつしか彼女に惹かれてゆく。
そして二人を取り巻く賑やかな面々の何とも愛らしく個性的なことか。
そんな賑やかな登場人物達が巻き起こす騒動とドタバタを
軽妙なタッチで綴った少女漫画史に残る傑作である。
基本はSFコメディであるが、SF世界への入門書としてもたいへん魅力的な作品である。
随所に散りばめられたSF諸作品へのオマージュは、
SF初心者であった私にハインラインやブラッドベリ他の素晴らしい作品世界への扉を開いてくれた。
また、このタイプの作品としては珍しく時間の流れに沿って描かれており、
連載開始当初は小学生だったニナも後半では16歳くらいにしっかり成長しており、
対等なパートナーとして ダンをすっかり尻に敷いてる感じで微笑ましい。
後に長い時を経て続編と言える「ブライトの憂鬱」(2000〜2004)が発表された時には歓喜した。
こちらはギャグ要素はあまりなく、ナイーブな超能力少年ブライトを中心とした ややシリアスな作品であるが、大人になって結婚したダンとニナも重要な役どころで出演しており、ファンは必読の感動作である。
現在も復刻版で入手可能、小学館文庫版全4巻が比較的入手しやすい。


第2位「超人ロック」聖悠紀 (1967〜連載中)
〈少年画報社完全版全37巻、他 多数の出版社から既刊、続刊中〉
超人ロック 新世界大戦.JPG

これはもう、物凄い作品である。作品が初めて発表されたのは1967年、
何と50年を超えて いまだに連載中という恐るべき長寿作品である。
掲載誌も少年キング、月刊OUT、コミックフラッパー等々多岐に渡る。
(「超人ロック」が載った雑誌は潰れる…という不幸な都市伝説まで存在する。)

主人公は不老不死のエスパー「ロック」
千年の時を超えた長い時間に渡って生きながらえる彼が、
その時代ごとの争いに巻き込まれたり、その力を利用しようとする者に狙われたり…、
その時々で巡り合う人達との出逢いと別れ、
永遠の命を持ちながら悩み苦しみ生きてゆく姿を綴った壮大な物語である。
とにかく主人公のロックがカッコいい。
緑色の髪の哀しい眼をした伝説の宇宙最強と呼ばれるエスパー、
本気になったら 惑星の一個くらいは消滅させるくらいのパワーを持っている。
それゆえロックは、出来れば人目を避けてひっそりと暮らしたいと思っているのだが、
結局いつも事件に巻き込まれたり、人々の命と平和を守る為 自ら赴かざるを得なくなり、
不本意ながら闘いに身を投じる結果となる。
強大な力を持ちながら、時には力及ばず 多くの人達が死んでゆくのを傍観するしか出来ない事もある。
「超人ロック」は永遠の命を持った主人公と限りある命を精一杯生きようとする人々の邂逅の物語である。
生きるというのはどういうことなのか?
限りある命だからこそ、人は精一杯生きようとするのでは無いのか?
永遠に死ぬことのないロックはいつも哀しい眼をしてる。
そんな彼も時には人を愛したり、気のおけない友人を得て幸せそうな姿を見せることがある。
そんなロックを見た時は何だかこちらもホッとしてしまう。
発表から50年を越える作品にもかかわらず、現在もバリバリに進行形で連載中であり、
近作の充実具合には本当に感服させられる。
単行本もいろいろな出版社からそれぞれ出ており、全貌を掴むのが難しい。
各社合わせれば100巻近くなるのではと思われるが、正直もうよくわからない。
とりあえず初めての人には、少年画報社文庫版全27巻がオススメである。


さてさて、長々と書いてきたが、ようやく1位の発表である。

第1位「ポーの一族」萩尾望都 (1972〜1976、2016〜続編を執筆開始)
〈フラワーコミックス全5巻、続編「春の夢」〉
ポーの一族.JPG

これはもう、少女漫画史だけで無く、漫画史に残る傑作と言って良い。
西洋に古くから伝わる吸血鬼伝説をもとに、永遠の命を持ったヴァンパネラの少年エドガーの物語を、
200年を超える時空に渡って描いた作品である。
ヨーロッパの何処かにあるヴァンパネラの暮らす伝説の「ポーの村」
孤児であった少年エドガーは偶然その秘密を知ってしまったことから
吸血鬼一族の仲間にさせられてしまう。
やがて追われるように村を出たエドガーは、最愛の妹メリーベルも亡くしてしまう。
絶望の中で出会った孤独な少年アランを仲間に引き入れたエドガーは、
その後100年に渡る永い時をアランと共に放浪する。
18世紀から20世紀に至るまで時間の中での様々な出逢いと別れ、
永遠の命を持ったエドガーの孤独と哀しみ、その一瞬一瞬の時代の中で巡り合う人々との束の間の触れ合い…
あれ…、何かさっきの「超人ロック」と似てないか…?
どうやら私は「永遠の命を持ったゆえの孤独と哀しみ」というシチュエーションが好きなようだ。
しかし、ロックがおよそ何をやっても死なないくらい強く頑丈なのに比べ、エドガーはかなり脆い。
永遠の命を持っているというより歳を取らないだけなのだ。
現にエドガーの仲間のヴァンパネラ達も、銃で撃たれたりナイフで刺されたり、
事故にあったりであっけなく死ぬ。
ちなみにヴァンパネラは死ぬ瞬間に跡形もなく消滅する。
それはもう哀しいくらいに呆気ない。
エドガーはヴァンパネラの中でも特別優秀な血を受け継いだ為、
他の吸血鬼よりは能力が高く丈夫なだけで、心臓に杭を打たれたり首を飛ばされればもちろん死ぬ。
少年の姿とはいえ、200年に渡って生きてきたエドガーは
冷徹で頭が良く、滅多なことでは失敗はしない。
しかし相棒のアランは感情的で子供っぽいところがあり、何かとトラブルにも巻き込まれやすい。
そんな二人の ある意味で少年愛にも近いような微妙な感情の起伏を作者は繊細なタッチで描き出す。
また この作品は永遠の時を生きるエドガーに魅せられた人々の物語でもある。
若い頃に出会った謎めいたヴァンパネラの姿を追い求め、
生涯を費やした老人が夢の中でエドガーと再会するシーンは感涙必至!
とにかく私の拙い文章ではこの作品の魅力はとても伝えきれない。
今から40年前、少年誌が「友情!努力!勝利!」などと言ってる頃、
少女漫画は文学に肩を並べる世界を描いていたのだ。
現在もフラワーコミックス全5巻が普通に入手可能であるから、騙されたと思って読んで欲しい。
さらには驚くべきことに40年の時を経て、
昨年2016年から「ポーの一族」の続編が連載再開されたのである。
40年の時間が流れ、作者の画風も大きく変わってしまったが、
作品全体を包む空気感は正しく「ポーの一族」そのものであった。
現在は中断中であるが、来年 新たに連載が再開されるとのことで、待ち遠しくてならない。

さてさて、本当に長々と語ってしまった。これでも随分と端折って書いたのである。
個々の作品の魅力はとてもこの程度で語れるものではない。
また改めて、個別に深く突っ込んで書いてみたいものである。

ちなみに今回は泣く泣く選から外したが、
他オススメの作品たちもタイトルだけ載せておく。
こちらも負けず劣らずの傑作なので、機会があったら読んでみて欲しい。
それほどマニアックな作品はあんまり選んでいない。
そもそも漫画に関しては比較的オーソドックスなものから読んだ方で
レア物や辺境を探るというタイプでは無かった。
全体に古い作品が多いのはまあ、仕方ないということで…。

〈惜しくも今回は選外となってしまった作品〉
トーマの心臓 / 萩尾望都 (1974)
11人いる! / 萩尾望都 (1975〜1977)
風と木の詩 / 竹宮惠子 (1976〜1984)
ベルサイユのばら / 池田理代子 (1972〜1973)
砂の城 / 一条ゆかり(1977〜1981)
有閑倶楽部 / 一条ゆかり(1981〜2011)
希林館通り / 塩森恵子 (1979〜1980)
ガラスの仮面 / 美内すずえ (1976〜)
エースをねらえ! / 山本鈴美香 (1973〜1980)
Heaven? / 佐々木倫子 (1999〜2003)
ロッカーのハナコさん / 石井まゆみ (1997〜1999)
キャリア こぎつね きんのもり / 石井まゆみ (2004〜2007)
キャリア こぎつね きんのまち / 石井まゆみ (2009〜2011)
ぽっかぽか / 深見じゅん (1987〜2015)
お気に召すまま / 布浦翼 (1992〜1993)
ぴくぴく仙太郎 / 布浦翼 (1992〜2011)
のだめカンタービレ / 二ノ宮知子 (2001〜2010)
花より男子 / 神尾葉子 (1992〜2004)
君に届け / 椎名軽穂 (2006〜)

巨人の星 / 梶原一騎・川崎のぼる (1966〜1971)
あしたのジョー / 高森朝雄(梶原一騎)・ちばてつや (1968〜1973)
すすめ‼パイレーツ / 江口寿史 (1977〜1980)
ドラえもん / 藤子不二雄 (1969〜1996)
オバケのQ太郎 / 藤子不二雄 (1966〜1973)
機動警察パトレイバー / ゆうきまさみ (1988〜1994)
リボンの騎士 / 手塚治虫 (1953〜1967)
ブラックジャック / 手塚治虫 (1973〜1983)
火の鳥 / 手塚治虫 (1954〜1986)
デビルマン / 永井豪 (1972〜1973)
サイボーグ009 / 石ノ森章太郎 (1964〜未完)
野球狂の詩 / 水島新司 (1972〜1977)
キャッツ・アイ / 北条司 (1981〜1984)
恐怖新聞 / つのだじろう (1973〜1975)
銀河鉄道999 / 松本零士 (1977〜1981)
宇宙海賊キャプテン・ハーロック / 松本零士 (1977〜1979)
うる星やつら / 高橋留美子 (1978〜1987)
タッチ / あだち充 (1981〜1986)

見返りぱんだ.JPG

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posted by ありのぶやすし at 23:38| Comment(0) | ブログ企画「繋」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする